山へ行こう! 旭ヶ丘デイサービスセンターたんぽぽ苑 管理者 清水

旭ヶ丘デイサービスセンターたんぽぽ苑 管理者 清水

初めての「登山」は高校1年のとき。第1回公民館登山でした。

双六岳へ1泊。大人子供合わせて20人ぐらい参加したと思う。ショルダーバッグにズック靴。今では考えられない装備です。

好天に恵まれ、真夏に残る雪田に驚き、眼下に雲海を眺め、眠い眼をこすって拝んだ山頂での御来光が印象的でした。

双六岳での御来光

【双六岳での御来光】

その後、学生時代は部活、社会へ出てからは友達との海水浴などで忙しく(?)、「登山」とは無縁の生活でした。

転帰が訪れたのは20代後半。公民館の体育部長を仰せつかり、第10回公民館記念登山の責任者となったのです。

ほとんどの装備は人から借り、双六岳へ40名のパーティーの一員となりました。

このときも好天に恵まれました。以前は気にも留めなかった風景。ハクサンイチゲにシナノキンバイ、チングルマやコバイケイソウなど、高山植物が可憐に競演する舞台に夏の装いをまとった雷鳥の親子が見え隠れする。沸き立つ雲に夕陽のコントラストが映える。

忘れてならないのがこれ。山小屋でのビールとトンチャンは「さいっこぉー!」。子供時分とは違った登山の面白さに気付いた瞬間です。今思えば、10年を隔てた2回の登山が、私の「山」のベースになったのでしょう。

コバイケイソウと薬師岳

【コバイケイソウと薬師岳】

その後は、ザックを購入し、ゴアテックスのレインウエアを奮発、ラジウスやコッヘル、ヘッドランプ、遂にはゴアテックスブーティの登山靴も手に入れました。

毎年の公民館登山を中心に「山」へ行く機会が増えました。

雨でズブ濡れの笠ヶ岳(何故かここはいつも雨)。翌日は快晴となり、山頂からの御来光、その後遠くに豆粒ほどの富士山が。稜線を行く。立ち昇るガスと朝日のコントラストは言葉では言い表せない幻想的な世界でした(写真がないのが残念!)。

北ノ俣。山頂への分岐で小休止のとき、小雨で夏なのにぶるぶる震えるくらい。こんなときにみんなの所持品は「ビール」。しょうがないので「缶ビール」ならぬ「燗ビール」にして暖を取りました(レモンを入れると結構いけた!)。

公民館20回記念登山は、遥かな「尾瀬」。3年ぶりぐらいに参加。大清水口を出発して尾瀬へ向かうこと30分。右の靴先に違和感が…なんとソールがはがれかけてきた。そのうち左もはがれてきて、ついにはまともに歩けない。しょうがないのでテープや紐でぐるぐる巻きに。翌日はサンダルで尾瀬をまわりました。(装備の点検はちゃんとやりましょう!)

壊れてしまった登山靴(私の足です)

【壊れてしまった登山靴(私の足です)】

秋真っ盛りの焼岳へは家族4人でチャレンジ!さすがに子供は疲れ知らず。山頂付近は硫黄の匂いが立ち込め、活火山を実感。中尾へ下りて足湯でくつろぎました。

長期出張先。せっかくなので地元の山へ行こう!東京。ハイキングのメッカ「高尾山」も景信山~陣馬山をめぐればちょっとした縦走気分。山梨県韮崎市。森林帯から出現する奇岩ニョキニョキの「瑞牆(ミズガキ)山」。日帰り登山にはちょうどいい。岩がごつごつした「八ヶ岳」の主峰「赤岳」では、鎖場で雷がゴロゴロ鳴り出す。前を行く若い女性が鎖を握ったまま「早く時計を外さなきゃ!!」。下山途中土砂降りに見舞われたことは想像に難くない。

昨年は、一度は行きたかった「剣岳」へ。「日本一危険な一般ルート」と言われるような岩場の連続。高度感たっぷりの「カニのタテバイ」「カニのヨコバイ」も幸か不幸かガスで視界が利かず。今度は晴れた日に行きたいね。

人はなぜ山に登るのだろう。「そこに山があるから(”Because it is there.”)」。ジョージ・マロリーの余りにも有名な言葉です。で、私の場合は???

前述したエピソードを含め、行く度に違う感動を与える、そんな「山」の魅力にはまったんだろうなぁ...もちろんビールにトンチャンは最高!

「わたくしたちは、雄大な飛騨の山なみにいだかれ…」これは、旧神岡町民憲章の一節です。日本百名山完登を目指している近所の方が言われます。「どこよりも北アルプスが一番いい」。こんなに近くに日本有数の山々があるのです。せっかくだからちょっと登ってみませんか?

稜線を行くパーティー

【稜線を行くパーティー】


職員からのメッセージとして、リレー形式で職員のエッセイを綴っています。次回は、特別養護老人ホームたんぽぽ苑 調理職員 坂場 の予定です。