マイ・ブーム
特別養護老人ホームたんぽぽ苑 介護職員 大上
私のマイ・ブーム、それは『宇宙』です。
『宇宙? 何やそりゃ!』と言われるかもしれませんが、私は今、宇宙にハマっています。
昔、私が中学生の時、地学が大好きな友達の影響で地学部に入っていました。
夏休みになると二人でよく化石の採取に出かけていました。一日中歩いても全く収穫のない日もよくありましたが、毎日が楽しくて仕方がありませんでした。
私は、古川町で生まれ、古川町で育った生粋の飛騨人(縄文人)です。あの『三丁目の夕日』の時代です。歳がバレてしまいますね。(笑) ^^
古川町の黒内、杉崎の小島城跡付近から化石が出土します。
黒内地内からは二枚貝、小島城跡付近からは草や葉っぱの化石を採取しました。採取した化石のほとんどは、標本にして学校に置いてきましたが、一部は今も持っています。
この化石の分布から、古川町の太古の地形が想像できると思います。
こうして、想像をめぐらしているうちに「地球はどうして出来たのだろう? 宇宙はどうして出来たのだろう?」と考えたことがキッカケで、宇宙に興味を持つようになりました。
しかし、高校に入ると地学部はなく、他のことも忙しく(?)なって、次第に忘れていきました。
それが昨年、日本が打ち上げた月周回衛星『かぐや』から送られてきた映像を見て、子供の頃の思いに火がついたのです。
私たちの子どもの頃は、人工衛星とは打ち上げ実験段階で、まだまだ満足に観測できる時代ではありませんでした。しかし、科学技術の進歩はめざましく、現在は月の裏側をCGでなく実写でみられる時代になってきました。
『かぐや』は月乃周りを回りながら、地球では絶対にみられない月の裏側の映像を、同時に打ち上げた衛星を中継して送ってきています。
その映像は、36年前アポロが月面着陸した痕跡をはっきりと映し出しています。大気がほとんどなく風もない月では、そのままの状態で残っていたのですね。感激です!
46憶年前、太陽系が出来た時に月も地球も出来たのですが、その時から月と地球は深くかかわってきました。そして月のうさぎの真相も解ってきました。
『かぐや』は月の表面の観測だけでなく、様々な種類のカメラを使用して地中内部も探査しているからです。それは地球側に放射性物質が片寄っていて、その熱で岩石が溶かされ溶岩となって表面に流れ出してクレーターに溜まり、そのクレーターの並び方がうさぎの形にみえるそうです。又その片寄りにより重力に差が出来て、重力の重い方(うさぎの形の方)が地球に引っ張られて、同じ面だけを地球に向けているそうです。
地球の生命体の誕生のメカニズムも月を観測することにより解明されてきました。
40億年前、月に大量の隕石が降りそそぎ、月は地球の盾になってくれたのですが、一部は地球にも降ってきました。
巨大な隕石が地球上の海に落ち、膨大なエネルギーによって地球に元からあった炭素、窒素、アンモニアを結合させ、生命の素になるアミノ酸を作り出したのではないかということです。
また、日本の太陽観測衛星『ひので』は地球を回りながら、太陽を観測しています。
表面温度は6000度、上空のコロナは100万度~1億度といわれ、核融合を起こして強いプラズマが発生している映像は迫力があります。CGでないかと疑うほどです。
『ひので』は黒点の変化する様子も映し出しています。大きくなったり小さくなったり、消えたり新しく生まれたりしています。
この変化が地球の気象変動に関係しているそうです。又黒点の磁場の増減は、地球の生命体に直接影響はないそうですが、電磁波にはかなり影響するそうです。
電磁波の狂いは、電気に依存している私たちの生活にも影響するかもしれません。
その他、新しい惑星Xやダークマターの存在も興味があります。
現在、日本は、宇宙科学の面では、世界をリードしています。
来年はスイスの山の中で日本の科学者が中心となってビックバーンの実験が行われます。本当に楽しみです。
これから科学技術はどんどん進歩していきます。新しい発見もどんどん出てくるでしょう。
私のマイ・ブームは、当分続くでしょう・・・。
YouTubeにて本年12月3日より公開されている『かぐや』の映像。JAXA公式。
http://jp.youtube.com/user/JAXASELENE
職員からのメッセージとして、リレー形式で職員のエッセイを綴っています。
次回は、特別養護老人ホームたんぽぽ苑 介護職員 和田 の予定です。