Now Loading

お義母さんといっしょ 旭ヶ丘ショートステイたんぽぽ苑 介護職員 坂下

旭ヶ丘ショートステイたんぽぽ苑 介護職員 坂下

– – –

11月に入ったばかりのお休みに、ふと思い立ちドライブに行こうかと考えた。

しかし、1人ではあまりにも寂しすぎるので元旦那のお母さんを誘ってみた。

別れたとはいえ、実の母以上に仲良くさせてもらってる間柄なので、返事は即OK!ということで、ナビの言うがまま、紅葉の名所「天生峠」を目指した。


県道75号線から行きましょうとナビが言うので、ハイハイ!と進むと、なんだかどんどん山奥へ連れて行かれる。

気がつくと舗装とは名ばかりの車1台がやっと通れるけもの道、ガードレール無し、待避所無し、つづら折りの下り道…。

「これは冬の神原峠より怖いねー」「対向車や後続車無いでまだいいけど…」「うおーっ!」と私がずっと呟くのに「そやねー」を繰り返す義母。

横目で見ると、しっかり助手席のドアにつかまっていた(笑)

時速5キロで、ようやく悪路を抜け出たところは小鳥川ダムだった。その頃になって「大変な道やったけど、対向車こなんだでありがたかったー。」と喋りだした義母。

道の悪い山之村育ちの私たちではあるが、義母も余程怖かったようで、それからは会話が成立するようになった(笑)

さて。気を取り直し、いよいよ天生峠へ。山道を登るにつれてだんだん色がはっきりしてゆく木々に「わぁ!綺麗やねー!」と義母の感激もひとしおである。

車から降りて、周りを眺めていると「ちょっとコレ見て」と義母が言う。見ると「これより上流禁猟区」の柱。「よく読んで見て」と言われ…。


笑ったり話したりしながらたどり着いた天生峠。ひんやりとした空気の中、熊よけの鐘を鳴らしてみた


白川郷へ行ける事を知り(なんと2人とも知らなかった)どうしようか迷ったが、今日は来た道を戻ることにした。

義母は何度も「今日はありがとう」と言ってくれた。ダムまでの悪路の事は忘れてくれたようだ。

不思議な縁でずっとお付き合いさせてもらってる義母。

あと何年、あと何回こうやって過ごせるかわからないが、それだからこそ楽しく時にはスリルやハプニングありの時間を過ごし、いつも楽しかったと言ってもらいたいと思った。

– – –

職員からのメッセージとして、リレー形式で職員のエッセイを綴っています。

これまでの職員からのメッセージはコチラ→https://tanpopoen.or.jp/letter/category/message/