恐怖
特別養護老人ホームたんぽぽ苑 介護職員 平田
まだまだ順番が回ってこないだろう・・・と思っていた職員のメッセージがいよいよ自分の番になりました。いろいろ悩んだのですが、ちょっと怖かったぞ!という体験談を書いてみようと思います。
それは今から2年位前の夏の夜でした。
久々に家に帰った時の事です。
確か夜の10時を過ぎていたと思います。夜勤明けで帰った事と、夕飯の後で私は座椅子に座ったまま居眠りをしていました。
眠り始めてからしばらく時間がたった頃、かなり熟睡していた私は「おい!おい!」と誰かに呼ばれている事に気付き目を覚ましました。
呼んでいたのは弟。再び寝ようとすると、弟が「おい、起きろ!」と何かただならぬ様子で話してきました。
寝ぼけながら「何?」と聞くと「熊来とるぞ!!」と言うのです。
嘘やろ!?と思いましたが、耳を澄ますとすぐ近くの窓の外から熊と思われる荒い鼻息と壁を引っかく〝ガリガリ〝という音がリアルに聞こえてきました。
一気に目が覚めました。寝てる場合じゃない。飛び起きて台所の窓から弟と外を覗くと・・・
そこには黒い物体が、間違いなく熊。しかも親子連れ。「一番凶暴じゃないか(oдO;)!!
しかも壁を破ってる。」とにかく逃げようと思いましたが、逃げようにも外に出たら襲われそうだし、家にいるしかありませんでした。
その夜は家中戸締りをして、家族で熊から一番離れた部屋で怯えながら熊が立ち去るのを待っていました。頭の中では熊が家に入ってきたらどこに隠れよう、隠れても無駄か、とかいろいろ考えてました。
幸い、熊は家の中に侵入することもなく山に帰っていきましたが、もし壁を突き破って熊が家の中に入ってきたらどうなっていたんだろう( 🙂
あの距離で見た熊は本当に怖かったです。
そもそも何故、熊がウチの壁を破っていったのか。なんですが、それにはちゃんと理由があるんです。
ウチは古い木造の家で、その壁の内側にミツバチが巣を作っていたからなんです。
かなり大きな巣になっていてそこには甘い蜜もあり、それを狙いに来ていたみたいです。
この日の前にも夜中や早朝に来て蜜をとっていたそうで、豪快に壁をむしっていったらしく両親はかなり驚いたと言っていました。
今は熊が来ることはありません。壁も以前より頑丈に(笑)怖い目に遭ったし、壁は破られるし「どもならんなぁ、コノヤロー(≧д≦)ノ」と今では笑い話になっています。
これが私のちょっと怖かったぞ!いやいや、けっこう怖かったぞ!という体験です。
これを見て〝ひどい所だな〝とか〝ありえない〝とかいろいろな印象もあるかとは思いますが、そんな故郷が好きです。
壊れた壁とミツバチの巣
職員からのメッセージとして、リレー形式で職員のエッセイを綴っています。
次回は、デイサービスセンターたんぽぽ苑 看護職員 川島 の予定です。