旭ヶ丘デイサービスセンター 生活相談員 小林 旭ヶ丘デイサービスセンター 生活相談員 小林

さて、とうとう自分の番が来てしまって大変あせっております。何のとりえも無い自分が何を載せたらいいのかと日々悩んでおりました。

何も書かないわけにはいかないので、自分の事について幾らか書いてみたいと思います。『何もとりえが無いんだったら、書くこと無いじゃないか』という方もみえると思いますが大層な事は書けませんので勘弁してください。

まず、私の好きなスポーツについてですが、小さい頃からサッカーが大好きです。まあこれは漫画の『キャプテン翼』の影響も多分に受けてますし、ワールドカップで『ディエゴ・マラドーナ』のプレーを見たのも理由の一つじゃないかなと思います。しかし、当時はサッカーの人気は今とは比べ物にならないほど低く、テレビでの放送はごく稀で雑誌もあまり売られてませんでした。(日本も今とは比べ物にならないほど弱かったせいもありますが・・・。)ですから、小学生の自分は深夜行なわれる録画の試合を楽しみにするしかありませんでした。今では海外のリーグ戦でもいつでも見れるので本当にいい時代になったなあと思っています。強くなった日本の選手に感謝します。昔はエイトバックシステムなんてやってたなんて信じられません。(守備の選手が8人という事です。サッカーは11人ですから大変なことです。しかも試合は0対3で負けたとおもいましたが・・・)

続きましては『映画』です。映画といってもあまりメジャーな映画だけでなく、『えっ、こんな作品あったの?』というようなのも好みます。忘れっぽい性格なので、どの映画が良かったとかはあまり覚えてませんが印象に残っているのは『マタンゴ』という映画はよく覚えています。(マタンゴというきのこを食べるときのこ人間になり、人を襲っていくパニック映画ですがかなりシュールな内容でした。)

最近、気になっている映画作品では『I LOVE YOU』と『AIKI』という作品です。一つ目の作品は聾唖の主人公が舞台に立つまでの物語です。2つめは事故で半身不随になった青年が合気道を通じて立ち直るまでの物語です。まだ観てませんが何より感銘を受けたのが日本映画であるが日本語の字幕がついているという事です。洋画は当たり前に字幕がありますが邦画に関しては皆無でした。当たり前に無かった事が実現されている事が、素晴らしいなと思いとても恥ずかしいなと思いました。これからはこのような事が日常であってほしいと願います。

最後に欠かせないのが『漫画』です。『何だ、たかが漫画か』と思う方もみえると思いますが、自分はこれまでにたくさんの事を学ばせてもらっています。特に自分がこの仕事を続けていく中で最も重要な事を気づかせてくれた事に感謝しています。

その作品とは『ソムリエ』といいます。何年か前にSMAPの稲垣吾郎主演のドラマをやってたと思いますが原作となる漫画は幾分違います。

色々なエピソードがある中で一番気に入っているエピソードは、ある客が主人公に『今の私に合うワインを持ってきてくれ。』と頼みます。すると主人公はしばらく考えた後『とっておきのワインをお持ちいたします。』といって下がりました。しばらくして持ってきたワインは銘柄も特に無いホットワインでした。客は、とっておきを持ってくると言って出されたワインがホットワインだったので何故なのか尋ねました。すると主人公は『失礼ですがお客様は疲れてみえるようですし、若干体調も優れない様子。そういった時はこのワインを飲んでゆっくり一晩寝れば元気になれますよ。』と答えました。そして、サービスということについて語りました。『自分にとってサービスとは観察することです。そしてお客様にもっとも必要だと思われるサービスを提供致します。そしてそのため技術を磨いたり知識を深めるのです。だから決して自己顕示や自己満足なサービスはしたくありません。それが私にとって最もスタンダードなサービスです。』と。

このエピソードを読んだ時、その頃仕事の事で色々と悩んでいた事が吹っ切れた気がしました。実に当たり前の事かもしれませんが、自分にとっては目の前にあった大きな壁が取り除かれたように思いました。

『知識や技術通りだけでも、一生懸命頑張るだけでも良くない。相手をよく見て何が必要か理解し、サービスを提供する。そのために技術や知識を磨き頑張る。』

本当に大切な事を気づかせてくれた作品でした。

他の人にとっては普通の漫画かもしれませんけど、自分にとっては価値観を変えてくれた大きな意味のある漫画であり、この本に出会えた事にとても感謝しています。

くだらない話を色々と並べましたが、少しはどのような人間か分かってもらえたのではないかと思います。たんぽぽ苑に勤めさせてもらって既に十余年、周りの皆様のおかげで仕事を続けることが出来て本当に感謝しています。勤めだした頃は右も左も判らず迷惑ばかりかけていましたが(今もそうですが・・・)、おかげで人間的にもたんぽぽ苑の職員としても成長できたのではないかなと思いますし、周りの人達が自分という存在を認めていてくれる事で頑張れるのかなあと思い日々感謝しています。

また機会があった時はもう少しましな事が書ければと思いますが・・・。最後まで読んで下さった皆様、本当にありがとうございました。


職員からのメッセージとして、リレー形式で職員のエッセイを綴っています。次回は、特別養護老人ホームたんぽぽ苑 調理主任 大前の予定です。