父の記憶

旭ヶ丘ショートステイたんぽぽ苑管理者 新家八重子


私の父は、26年前に実家の火事が原因で亡くなった。

若いころから病弱で持病もあり、外で遊んでもらった記憶はないが、一生懸命仕事をしてお菓子を買ってきてくれたり、達筆で賢く、勉強はいつも父から教えてもらっていた。

性格もわりと穏やかで優しい目をしており、私の子供が小さかった頃によく実家に行ったが、子供がやんちゃをしても怒ることなく、少し離れて優しいまなざしで見ていたことを覚えている。私も父に怒られた記憶がほとんどない。貧乏であったが、父と母の愛情たっぷりの家庭だったと思っている。

 

私がたんぽぽ苑に入社した理由の一つに、この父の事がある。

病気で倒れ入院中も退院後も、子供が小さいこともあり看病や介護ができず、母に負担をかけてしまった事をずっと気にかけていた。父が亡くなった3年後に「たんぽぽ苑」という、高齢者介護の職員募集を知り、まったく何の知識も技術もなかったが、介護職員として入社することができた。

 

今年で23年目になるが、仕事中ふとしたことで父の事を思い出すことがあった。

私がケアマネをしていた10年位前、ある家庭に訪問した時、たまたま実家の事を知ってみえ父の話になった。「頭のいい人で、乗馬もしたしバイオリンも弾きなったなぁ」と聞き驚いた。(そんな話は1回も聞いたことがない)又、現在働いているショート棟の利用者で父の同級生がみえて、「いい人やったよ」と言ってくださった。

本当に嬉しかった。

父や母への「罪滅ぼし」なんて偉そうなことが言えるほど仕事はできていないが、たんぽぽ苑でここまで成長させていただき感謝している。

 

現在の私は

9人家族(主人・主人の両親・長男夫婦・孫3人 )+犬2匹で仲良く暮らしている。

新家1

長男夫婦には7月初めに3人目が産まれ、二男夫婦にも先日子供が産まれた。どこからどう見てもばあさんにしか見えなくなった。慌ただしく毎日が過ぎていくが、数年前にはこんな日々が送れるとは思っていなく、幸せを感じている。

新家2

こんな私を見たら、父は昔のような優しい目で微笑んでくれるだろうかと、お盆を前に考える。


職員からのメッセージとして、リレー形式で職員のエッセイを綴っています。これまでの職員からのメッセージはコチラ →

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