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大切な人 特別養護老人ホームたんぽぽ苑 職員

特別養護老人ホームたんぽぽ苑 職員

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【父(86歳、通称よっちゃん)】

神岡生まれの神岡育ち。

15歳のとき父親が亡くなり進学かなわず。

長年にわたり鉱山マン。

若いころは鮎をたくさん釣ってきてくれた。

お酒とカラオケが大好きで町の飲み屋へ足しげく通った。

友達もたくさん。

70歳を過ぎてから、胃癌、硬膜下血腫、肺癌など克服!

最近は少し歩くだけでも息切れがするので大好きだった飲み屋通いもカラオケもできなくなった。

今はもっぱらナンプレにはまっている。

体が弱っても晩酌と煙草はやめない。

「好きなことして死ぬんやでいいんやさ!」

が、お決まりの捨てゼリフ。

 

【母(83歳、通称ゆみちゃん)】

四日市で育つが空襲で命からがら母親の実家のある本郷に逃れた。

高山高校、文化服装学校を卒業、洋裁を教えていた。娘たちのセーラー服も手作り。

調理師の免許を持ち、ラーメン屋をやるのが夢だった。

姑の介護をがんばった。寝室にブルーシートを敷き、ベビーバスで姑を風呂に入れていた光景は今でも鮮明に覚えている。

70歳を超えてから、骨折、脳梗塞、乳癌、大動脈解離などの大病から生還。まさに不死身。

今は要介護2…たった5分前のことすら記憶できない。

洋裁も美味しい料理も一切できなくなった。

が、ときどき思い出したように卵焼きを作ってくれる。

50を過ぎた娘の心配だけは今も変わらない。

一日中TVの守りが日課。

 

自分の年齢で両親がそろって健在なのはとても幸せなこと。

戦前生まれでたくさん苦労してきたし、自分もいろいろあって本当に本当にお世話になった。

こんな年齢になってようやく親のありがたみを実感しているが、そばにいるだけで何の恩返しもできていない。

なので、この場を借りて「ありがとう」。

まだまだ人生100年時代、二人そろって元気で長生きしてほしい。

 

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職員からのメッセージとして、リレー形式で職員のエッセイを綴っています。

これまでの職員からのメッセージはコチラ→https://tanpopoen.or.jp/letter/category/message/