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ホームヘルプサービスたんぽぽ苑ホームヘルパー 松田
こんにちは。ぼく、パイロットスクリューと言います。
若い方や女性はぼくの存在すら知らないと思いますし、もし飽きずにこの自己紹介を最後まで読んでくれたとしても、たぶん数分後には地球上にぼくがいることすら忘れてしまうでしょう。
年配の方は懐かしく思われるでしょうが、やはり数分後には・・・。
そりゃそのはずです。だって、ぼくの仕事場であり城であり家族でもあるキャブレター族は高度に統制の取れたインジェクション族に駆逐され、残ってるのは名門のごくわずかがマニアックな人たちの心を捉えホソボソと命を繋いでいるのですから・・・。
ま、今のところ絶滅するまではいってないのでうまく共存できればいいんですが、どう考えてもインジェクション(以下FI)族のほうが優秀だな~。残念ながら。
が、ぼく、これでも名門であるケーヒンFCRの一員として日夜頑張っています。
で、ぼくの隣にいるのが相棒のエアスクリュー君です。ぼくよりズングリムックリしてます。ぼくスマートでしょ?
ぼくとエアスクリュー(以下AS)君は志は同じなんですが、やりかたが全く180°逆です。
ぼく達の仕事とはアイドリングを安定させること、アクセル開度0~1/4までの混合気を最適な状態にする事です。
どっちもガソリンと空気を14:1(全開時のメインジェット君は12:1)の割合で混ぜることです。AS君と全く違うと言うのは、AS君は締めていくと混合気が濃くなりぼくの場合は締めると薄くなります。
同じことをするのに全然逆なんです。どっちかひとりいればいいと思うんですがなぜかぼくとAS君ふたりいるんです。なぞです。ぼくを1/4緩めてAS君を1/4締めたら元にもどっちゃう様な気がするんだけど・・・。
こんな訳がわからず、重複するところばっかあるから(仲間のメインジェット君とジェットニードル君の関係もこんな感じ。)FI族に負けちゃうんだろうな~。あっちはダイアル1個で全部できちゃうからな~。
でもこのアナログなところがキャブレター族の持ち味。ぼくたちをうまく協調させてエンジンが気持ちよくまわるようにするためとてつもない時間と労力が必要です。
はまってしまうと毎日調整しちゃったりするひともいます。
うまく合った暁には同じエンジンじゃないんじゃない?ってくらいパワフルになり「さすが名門」ってなりますよ。
しかしやっぱりどんなにがんばってもFI族のほうが優秀だな~。お手軽だし。
デビューしたての脚光がなつかしい・・・。あの頃と変わらないのは値段だけだな。
以上、パイロットスクリュー(ネジ)の気持ちになってみました。
もうキャブの時代は来ないだろうな~。
職員からのメッセージとして、リレー形式で職員のエッセイを綴っています。
次回は、 特別養護老人ホームたんぽぽ苑介護職員中林の予定です。