うさぎの彼
ホームヘルプサービスたんぽぽ苑ホームヘルパー 宮之腰
今年は卯年です。
我が家には、ミニウサギ(♂)がいます。
当時中学一年生だった娘に、
「絶対あたしが面倒を見るからお願い!!」
とせがまれて、
「この仔にする。」
と一瞬で彼を選び、迎え入れてから、もうすぐ四年目になります。
今ではすっかり、旦那と私にプレゼントしてくれた様なものです。
彼を飼い始めてからは、分からないことだらけでした。
無知な私たちのせいで、彼の歯が伸び過ぎてご飯が食べられなくなり、短期間に二度も手術をさせてしまいました。
何度も失敗を繰り返しながら、ようやくお互いの距離を縮め絆を深めました。
家族が寝る前の一時、床に敷いた布一面をうさぎの彼は自由に走り回り、伸ばすと長~い足を投げ出してあんきに横になります。
目を細めて眠っています。
そんな彼の様子を見ながら、サークルを隔てた横で、私たち親子はこたつを囲み、一日の出来事を語り合い、息子の数学の問題を必死で解いたり、お気に入りのスイーツを食べ一緒の時を過します。
時々、その二つの光景を眺めながら、あとどれくらいこうやって変わらず親子で過すことが出来るのかなと、思います。
思春期の難しい子どもたちとの関わりや、目の前に起こる困難な出来事に戸惑い、家族という糸が絡まりそうになると、いつも彼がそっとほどいてくれます。
そして、彼がただそこにいてくれるだけで、バラバラになりそうな糸も結んでくれている様な気がします。
二度とやって来ないこの尊い時間や、かけがえのない日々を重ねられることの喜びを、物言わぬ小さな彼と過しているうちに感じる様になりました。
今夜も、彼の背中を撫でながら、
「おやすみな、今日も一日ありがとウサギ」
とつぶやきました。
職員からのメッセージとして、リレー形式で職員のエッセイを綴っています。
次回は、 ホームヘルプサービスたんぽぽ苑ホームヘルパー松田の予定です。