旭ヶ丘デイサービスセンター 生活相談員 上北
今は亡き、祖父との思い出。
うちは、分家。爺ちゃん家は、本家。徒歩30秒の距離。
爺ちゃんは、目が悪く、一人で長距離を歩くのは困難。それでも、爺ちゃんは近所の「桂本神社」で散歩に行くのを楽しみにしていたので、当時小学生だったあたしが、エスコート役となり一緒に神社まで毎回デートしたのでした。
爺ちゃんは、すごく物知りな人で、道中いろんな事を教えてくれました。それが、とても楽しみでした。中でも、教えてもらって面白かったのが、英会話レッスン(笑)
爺ちゃん「ゆうこ。馬は、英語で言うとなんていうか知っとるか?」
私「なんていうか知らん。何ていうの?」
爺ちゃん「ホースっていうんやぞ!!んじゃーバナナは、英語で何ていうか知っとるか?」
私「えーバナナは、バナナやろう。」
爺ちゃん「違う。違う。発音が違うぞぉー。バー→ ナー↑ ナー↑やぞ」
その他にも、沢山英会話レッスンがありました。でも、爺ちゃん。せっかく教えてくれたのに、私、英語得意じゃなかったな・・・。
数年後、たんぽぽ苑に勤めてある利用者さんと出会いました。それが、なんと、爺ちゃんの従兄弟。そして、その利用者さんも、英語を話されました(笑)
お湯のことを「ホットウォーター」と言い、自己紹介の時に「マイネームイズ○○」とお話してくださいました。爺ちゃんが、蘇ってくるようでうれしかったです。従兄弟も似るのでしょうか?
桂本神社までのデートが終わると、決まって駄賃をくれた爺ちゃん。
駄賃はいつも、袋に入った薄荷飴と100円玉。
薄荷飴をなめると当時をいつでも思い出す。サクマドロップスでは、割と好まれず、一番最後まで残っている薄荷飴。でも、あたしは大好きです。
そうそうある時駄賃の100円玉が、間違って10円玉だったことがありました。爺ちゃんは、100円玉のギザギザを頼りに選んで私に渡してくれていたので、ギザ10と100円玉を間違えたのです。一瞬戸惑いもしましたが、「ありがとう。爺ちゃん」ともらいました。
爺ちゃんから1通だけですが、手紙をもらったこともありました。
字もなかなか書けなくなってきた頃に、一生懸命一文字一文字心を込めて書いてある字。中身といえば、ラジオで聞いたことをただ書いてあるのですが、最初で最後の爺ちゃんからのお手紙です。今でも、大切に保管してあります。
職員からのメッセージとして、リレー形式で職員のエッセイを綴っています。次回は、旭ヶ丘デイサービスセンターたんぽぽ苑管理者清水の予定です。